愛知県小牧市立桃陵中学校で、全教員参加の探究的な学びに関する研修を実施させていただきました。
小牧市では、来年度から市内の全小中学校にて探究的な学習に力を入れる方針が打ち出されています。桃陵中学校では、これまでの総合的な学習の時間に加えて、年20時間の探究学習を実施します。
今回は、来年度からの探究学習の時間を準備していくにあたり、先生方一人一人が「探究的な学び」について理解を深めたい、ということでワークショップを実施しました。
今、社会は大きく変化しており、知識・学力偏重の教育も変化が求められています。小牧市は、「こどもを中心に世代を越えて、市民がつながり、支え合う、住みよいまち」を目指して「こども夢・チャレンジNo.1都市宣言」を制定しています。
こどもたちが夢を持ってチャレンジしていく街を目指す小牧市は、こどもたちの探究する力を育てることで、これからの予測困難な社会を幸せに生きる力を育てたいと考えているようです。
研修はノウハウの習得ではなく、先生方一人一人が「探究的な姿」について考えるワークショップ形式で行いました。
まずは、今なぜ探究が必要なのか? について技術の進化による社会の変化などを考えていただきました。生成AIの予想以上の進化によってシンギュラリティが近づいている今、知識偏重の学びに意味が無くなりつつあります。どれだけ知識を獲得しているかではなく、すぐに手に入る知識や技術をなんのために使うのか、どう使うのか、を学ぶことの方が重要になっています。
実は、すでに現在の学習指導要領は「主体的・対話的で深い学び」を目指しています。
この姿は「探究」そのものではないでしょうか。
ワークショップでは「主体的な状態」「対話的な状態」「深い学びの状態」とは、子どもたちや自分自身がどんな状況にあるときに見られるのか、を考えてもらいました。普段の授業の中でそのようなシーンは作られているのだろうか? より良い学びのために、どんな姿を目指せばいいのだろうか?
先生方一人一人の気付きに繋がるようにグループ毎に対話をしてもらいました。
探究的な学習にはプロセスがあります。文科省では4つの段階をサイクリックに回すということを提示しています。ただ、この過程を作れば「探究」になるわけではありません。
学習者が「探究したい」を思うのは、なぜ?おもしろい!という興味関心を持つときです。つまり子どもたちの好奇心が出発点になります。
ワークショップでは、子どもが好奇心を持って取り組めるようにするにはどんな工夫ができるか、という問いに対して学年ごとに話し合ってもらいました。
この問いには正解はありません。
どんな子どもたちなのか、どんなテーマを設定するのか、どんな学習環境なのか、など、様々な要素に影響を受けます。
なので、日ごろから関りを持っている先生にしかやり方は見つけられません。
今回のワークショップは「探究的な学習」について理解をしてもらい、どんな授業を作っていくかを話し合っていただく最初のキッカケに過ぎません。
来年度からの探究学習の実施に向けて、先生方が対話的に学びを深め、実際の授業のデザインに挑戦することをサポートしていきます。
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