
コミュニティスクール(CS)勉強会 第2回目は、地域とともに学校運営を進めている板橋区立板橋第十小学校の歴代3校長にお話を聞きました。
板橋第十小学校では、令和元年度からコミュニティスクールとして学校運営を行っています。勉強会では、平成30年度から4年間校長を務められた中川久亨先生、令和4年度から2年間校長を務められた冨田和己先生、令和6年度に校長に着任された野崎徳道先生の3名にコミュニティスクールを学校長としてどう見ているかについてお話していただきました。

中川さんは当日ご都合が合わず、ビデオ登壇となりました。
令和元年度に従来の学校評議員からコミュニティスクールへ移行する際に校長を務められていた経験から、委員の選定の重要性をお話されました。学校の取り組みについて本音で話し合うためには、学校のことを理解している人が委員になる必要があります。
板橋第十小学校のコミュニティスクール委員会では、これまでに2回、多くの委員の入れ替わりがありました。委員の入れ替わりがどのような経緯で行われたのか、については、板橋第十小学校CS委員長の塚本さんから説明がありました。
冨田さんは、中川さんから校長を受け継いだ時に感じたことを話してくれました。
前任校でコミュニティスクールを立ち上げた学校だったとのことで、コミュニティスクールの板十小に着任したことは嬉しかったそうですが、板十小CSには地域外の人も関わっているので、そういうコミュニティスクールもあるのか、とても画期的だなと思ったそうです。
また、板十小はたくさんのオブザーバーが参加をしていますが、これは、学校経営方針などの熟議をする場合に限られた委員だけで話すのではなく、開かれた場で行う事が非常に力強いという事を実感したようです。校長にとっても自信をもって学校経営方針を出すことに繋がったことが大きかったとお話されました。

野崎さんは、コミュニティスクールとしての形がかなり出来た状態から引き継いだ経験を話してくれました。
野崎さんは初めてのCS校だったので、正直初めは何を要求されるんだろうか、と構えていたとのこと。それが、塚本さんやCS委員さんと対話を重ねることで自分の中の氷が無くなってきたのが実感だそうです。約1年やってみて一番感じていることは、校長として有難い、ということとお話されました。CS委員会で話し合われたことがしっかり学校の支援として結びついていることが有難いとの事でした。
また個人的には人と積極的に交わることが苦手だったが、いろいろな方と会って話す機会が多かったので、だんだんポジティブな性格になってきたそうです。子どもたちには未来に向けて他人と協働して課題解決したり、探究したりしていこうと話しているのだから、自分たち教員もいろいろな人と交わって話す機会があるのが大切だ、とのことでした。

3人の校長のお話を受けて、参加者からの質問への回答がありました。
質問の中で多かったのは、どうやって人選しているのか?というもの。中川さんのお話の中でも学校の取り組みに本気で話し合える人に参加してほしかった、という言葉がありましたが、板十小CSでは年々熟議の質が高まっていき、学校の教育活動について理解して熟議が出来る人でないと参加しにくい状況になり、自然と委員の交代に繋がったというお話がありました。
また、学校の働き方改革という視点ではどうなのか?という質問もありました。
CS委員会やジョナサン会(板十小ONE TEAMの情報交換会)へ参加している校長、副校長、担当教諭は皆さん楽しく取り組んでいて、批判的な意見は出たことがないそうです。また、学校全体では学校支援地域本部や保護者の方々が様々な支援をしてくれるので、教員の働き方改革に繋がっているという回答でした。
今回は終了後に希望者によるオンラインジョナサン会も行いました。
ジョナサン会は、板十小ONE TEAMの情報交換会ですが、板十小に関わるPTA、学校支援地域本部(10サポ)、同窓会、寺子屋、CS委員会などの関係者がファミレスに集まって、それぞれの現状について情報交換をする場です。
今回は、オンラインジョナサン会と称して、参加者のみなさんが3つの部屋(野崎ルーム、塚本ルーム、小林ルーム)に分かれて、1時間ほどの対話を楽しみました。参加者のみなさんが自由に移動できるようにして、イベント内では話しきれなかったことなど、それぞれの3部屋で時間が経つのを忘れるくらい楽しい対話が展開されました。
第2回コミュニティスクール勉強会のアーカイブ動画はこちらから▼
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