top of page

みんなの社会共創対話#5 対話の一体感が生まれる場でした

執筆者の写真: ミライプラスミライプラス

2年前に始まった「みんなの社会共創対話」。今回は、ヤフーさんとのコラボによりLODGEを会場として開催することが出来ました。

会場に入るといきなりLINE FRIENDSがお出迎え。場所自体がワクワクを演出してくれていました。


今回は3名のゲストに登壇していただきました。それぞれ、異なる活動をされていますが、社会に存在する壁、分断、無関心を改めて感じるお話でした。

社会共創対話はメインディッシュは参加者同士の対話です。ゲストのお話をネタに、参加者のみなさんが4,5人のグループで対話をしましたが、今回はこれまで以上に場の一体感を感じることが出来ました。



最初のゲストは鈴木大介さん。

ルポライターとして、社会への対応がうまく出来ない若者たちを取材して本を書いてきた人です。その鈴木さんは10年前に脳梗塞で倒れました。その後遺症として高度脳機能障害となり、リハビリの日々を過ごしました。

高度脳機能障害では、脳の機能に不具合が起き、鈴木さんが取材をしてきた発達障害の人たちや、または認知症の人たちと同じような障害が現れます。


健常な脳では、様々な情報から必要なものに注意を向けることが出来ます。しかし注意障害がある場合には、脳に入ってくる情報のすべてを処理しようとしてしまいます。

たとえば駅の構内では、雑踏の音やアナウンス音、さらには視覚障害者向けの「ピン・ポーン」という音も脳の情報処理の邪魔になるそうです。こうして、駅を普通に歩けなくなってしまったとのこと。


健常者が当たり前に出来ることが出来なくなる、ということが、今の日本社会においてどれほど大変な事なのか。健常者から障害の当事者になった鈴木さんだからこそわかることを丁寧にお話してくれました。



お二人目はスマイリーキクチさん。

なんと、ボキャブラ天国に出演していた芸人さんです。

キクチさんは1999年、過去におきた女子高生コンクリート詰め殺人事件の犯人だという、インターネット上のデマの投稿により誹謗中傷を受けることになりました。今、SNSでの誹謗中傷が社会問題になっていますが、キクチさんの事件がネット誹謗中傷の最初の事例になりました。


キクチさんは誹謗中傷を受けた際、仕返しをしてやろうと思ったそうです。それは、誹謗中傷をした人たちを攻撃するのではなく、自分が幸せになってやろうと思ったのです。誹謗中傷する人たちは、人で(おもちゃにして)遊んでいるけれど、キクチさんは人とたくさん遊んでいたので、助けてくれる仲間がたくさんいたそうです。


キクチさんは、今でもネット上で誹謗中傷を受けることがあるそうです。しかし、彼は街を歩いていても一度も「死ね」と言われたり、殺人者扱いされたことはないそうです。

ネットの中は特殊であり、SNSで見ているのは筒を覗いている世界。これが全てだと思ってはいけない、という事を今はたくさんの子どもたちに伝えています。正しさを伝えるよりも、優しさを伝えたい。幸せにしてくれる言葉は「ありがとう」だとお話してくれました。



最後のゲストは金川雄策さん。

ヤフーニュースドキュメンタリーをゼロから立ち上げ、170人のクリエイターによるドキュメンタリー作品が300以上登録されているプラットフォームに成長させた人です。

金川さんは、元々は報道カメラマンとして活躍していました。しかし、ドキュメンタリーの方がもっと真実を伝えられるのではないかと考え、海外でドキュメンタリー制作を学びます。


しかし現実はドキュメンタリーの需要は少なく、大手メディアではドキュメンタリーの枠がどんどん削減されます。このままではドキュメンタリーが無くなってしまう。クリエイターたちが作品を表現する場も無くなってしまうと危機感を持ち、ヤフーニュースドキュメンタリーを立ち上げました。


今回、すでにネット上では見られなくなっているドキュメンタリー「エリザベス」を特別に上映してくれました。アフリカから日本に来て入管に収容された経験を持つエリザベスさんは、15年以上に渡り各地の入管に収容されている外国人を訪ねて支援しています。日本の入管では何人もの人が命を落としているのです。


ニュースなどで聞いたことがある問題ではあったものの、現実を知ることは難しい。ドキュメンタリー作品は、自分ではなかなか知りえないことを映像という力強い情報で提供してくれます。金川さんの悩みは、ドキュメンタリーをもっと広めるにはどうしたら良いか。

参加者のみなさんに苦しさを問いかけてくれました。



3人のお話に共通していたのは、社会にはたくさんの苦しんでいる人がいるという事。

その人たちを受け入れられる社会が必要だということ。排除、分断、無関心ではなく、愛や感謝が大切なのだということを、それぞれのお話の中から感じることが出来ました。


それぞれのゲストのお話のあとにはメインディッシュである参加者同士の対話の時間です。

今回も学校の教師、教育行政の方、保護者、民間企業の人、何かしら教育に関わったり関心を持っている人たちが約100人集まり、4,5人のグループで対話を行いました。

初めまして、の人がほとんどだと思いますが、どのグループも温かく楽しそうな様子でお話をしていました。


これが社会共創対話の真骨頂。

同じ話を聞いた他者の意見を聞き、自分の意見を話し、新しい視点を得たり、共感を得たり。新しい繋がりから何か新しい活動が生まれることもあります。

今回もたくさんの出会いと発見があったと思います。


次は夏ごろの開催の予定です。




閲覧数:86回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Commentaires


©2024 by ミライプラス

bottom of page